ペルーは海岸線からさらに内陸に入ると、いかにもアンデスの国らしく、どこまでも壮大な景色が広がっています。私たちが訪れたクスコ郊外は、素朴な村々、青い空、そしてインカ帝国の遺産など、どこを見渡しても一枚の絵のように見えてしまうほど。振り返って見るといかにも外国にいるなあという実感が強く感じられます

 


バスに乗ってクスコ市街を出ると、すぐにこんな田舎エリアに突入します。標高が高いせいか、空そして雲が近いなーというのが第一印象

 


クスコから30キロほど離れた郊外の村、チンチェーロ。村を見下ろす丘に建つ教会は、教会らしからぬ素朴な佇まい。村人が集まってなにやら集会を開いていた
最初は警戒していたものの、デジカメを見せると、「あ、私たちが写っている!」とおおはしゃぎの少女たち。「じゃ、もう1回撮るよ〜」というと、こんな自然な笑顔が出てきました

 


チンチェーロは織物の里としても有名。この村に住んで織物を学んでいる日本人のタクトくん&アカネちゃんと知り合いになり、彼らの青空授業を見させてもらいました。見ているだけでもかなり難しそう……

チンチェーロはまさに桃源郷という名がぴったりの美しさ! こののどかな風景を見ていると、実はここはインカ帝国の時代からさして変わっていないのでは? という気がしてくる

 


とはいえ、ここもかつてはインカ帝国のひとつの村として栄えたところ。村のはずれにはこんな段々畑の跡が残っている。耕せば、明日からでも使えそう

石畳の道で遊んでいた村の子供たち。ペルーの先住民であるインディヘナの子供は日本人とほとんど同じ顔つきをしている。同じモンゴロイドのせいか、強くシンパシーを覚えてしまうのだ

 

村の通路は石が積み上げられて作られていて、なんだかノスタルジックな気分になります。でもこのあたりは標高が3800メートル近くあるので、こんななだらかな階段でも登ると息がぜいぜいしてしまうのね……

村から村へ移動する年代もののトラック。ものすごい音を立てて走るけど、実際のスピードはたいしたことない(笑)

 


広島市環境事業局のみなさーん。アナタたちの車は、南米はペルーで、いまも立派に活躍してますよー。と思わず言いたくなりますね。写真を撮っていたら少年が控えめに「写ってもいい?」と寄ってきました

チンチェーロは日曜日に立つ市場が有名。普段は人気(ひとけ)のないこの村も、日曜日はこのとおり賑やかになります。しかしインディヘナの人って、ホントに帽子がダイスキなのね

 

ビシッと民族衣装に身を包み、ポーズをつけてくれた少女。この村は観光客も多いけど、写真を撮っても「お金ちょうだい」と言われることはなかった
お土産物を売りつつ、お土産物を作るおばちゃん。この村の女性は織物の達人が多く、複雑にからんだ糸をひょいひょいとキレイに編んでいた。頭に乗っけたお盆のような帽子がカワイイ

 


しかもこの市場で売られているお土産物もかなりカワイイのね。インディヘナ人形はかなりポイントが高く思わず買いそうになった。よく見るとちゃんと赤ちゃんを抱いている
田舎ののどかな市場らしく、お客よりも圧倒的にお店のほうが多い。なかにはお店ほっぽらかしで、物だけがじーっと待っているところも……。このあたりのインディヘナ土産はなかなか色彩豊かだな

 

写真を撮っていると、「撮る?」という感じでポーズをつけてくれた。彼女たち、普段は洋服を着ているのだけど、こうしたハレの日にはみんなバッチリ民族衣装なのです
売り子さんはおばちゃんになればなるほどパワフル。見ているとさっさと布を広げて、「買う?買う?」と積極的なのです。おばちゃんが手にしている織物でふちどられた布、私たちも思わず買ってしまった

 

土産物売り場の横は、地元の人用の野菜売り場。こんな標高の高いところでもこんなに野菜はあるんですねえ。こちらのおばちゃんたちは普通に洋服着用
市場の脇ではペルー式バーベキュー屋台が出ていました。肉をどっさり、じゃがいもは丸ごと、ビックリするほどの豪快さ! 煙がもうもうとあがるなか、やっぱり豪快に味付けしていたおばちゃん

 


夕方になって、どっさりと荷物を持ってバスに乗り込む人たち。インディヘナのおばちゃんたちは荷物を大きな布にくるんで体に巻きつける。ペルーではどこでも見られるスタイルだけど、なぜか男性でコレをやっている人は見たことがない

日を改めて、クスコから1時間半ほどのところにある塩田を目指してハイキングしました。写真は、途中ほとんど人影がないところにポツンと現れたペルー版「大草原の小さな家」

 


日本であれば即座に観光名所となってしまいそうな景色が、そこらじゅうに広がっている。雪を抱いた山に向かってテクテク歩いていると、「僕あ、幸せだな〜」としみじみしてしまうのだ


本日のハイキング・メンバーは私たちふたりと日本から来た友人アキくん、そしてクスコで知り合った日本人の田村さん。男3人衆がアンデスの山々めがけて歩いていくの図を後方からこっそりキャッチ。絵になって見えるのは、景色がよ過ぎるせい? 

 

途中、どこからともなくふらりとインディヘナのおっちゃんが現れた。しかし山でも海でも、自然にどっぷり根ざしている人の顔は、なぜにこうカッコいいんでしょうねえ。「写真を撮りたい」というとひたすら照れていたのも印象的
普段は「歩くのヤダ〜」と言うヘタレな私たちだけど、こんな景色なら自然と足も軽くなるってもの。それにしてもアンデスは実に壮大なのです

 


途中、やっぱりフラリと現れたインディヘナのおばちゃんと記念撮影しました。インディヘナの人、特に年配の人はかなり体が小さく、顔も日本人と同じモンゴロイドなので、かなり親近感がわきます

山といえば欠かせないのがロバくん。険しい道を文句ひとつ言わずせっせと歩いている姿は、実にけなげで見ていると愛しくなってしまうのよ

 

この子はホントにかわいかった! 山道に腰を下ろして休んでいたんだけど、見た瞬間「撮らせて!」と駆け寄ってしまったぐらい。このあたりの子は性格も実に素朴で、いかにも田舎の子という感じがまたいい
そして本日の目的地、塩田に到着。この景色スゴイでしょ? まるで山肌の段々畑に、白いペンキをバシャっとかけたよう。正直、期待していなかったので実物を見たときは思わず「おお!」とコブシを握り締めてしまった

 


初めてこんな本格的な塩田を見たけれど、不思議なものですね〜。もちろん白い部分はすべて塩。なんでこうなるのか、どうやってコレを作ったのか、誰か教えて!
塩田の休憩所にいた少年。実に健康そうな顔をしていて、頼もしい限り。塩田の説明なんかもしてくれたのだけど、スペイン語がわからない私たちにはちんぷんかんぷんでした。ごめんよー

 


もちろんこの塩田は立派に現役で機能していて、ここの塩は首都リマでもおいしいと評判だとか。おばちゃんふたりが広大な塩田の中でせっせと作業しておりました
塩田を抜けると、やっぱりまた美し過ぎる景色が続いていた。こういう景色を見ていると、日頃の悩みもふっとんでしまう(といってもあんまり悩みのない私たちだけど……笑)

 

村の水路をじっと眺めている少女がいたのでカメラを向けていると、「なんか用?」とばかり振り向かれてしまった。怪しい日本人にちょっと警戒の顔? ちなみにこの水路はインカ時代に作られたもので、数百年たったいまでも現役だ

ところ変わって、クスコ郊外のオりゃンタイタンボ遺跡。山の勾配に沿って、段々畑が続く。頂上までの階段は300段もあるのだ。かつてはクスコを追われたインカの民がここに立て篭もってスペイン軍と戦ったこともある

 


階段を登りきったところから下の村を見下ろすと、この遺跡が実に急勾配な山の斜面に造られているのがわかる。高所恐怖症な人はここに住めないでしょう

山の頂上には、崩れてはいるもののしっとりと風情のあるこんな遺跡が佇んでいた。ここもやっぱりインカの石組みの名残が残っている

 


圧巻なのは天に挑むように並んだ6個の巨石。コレ、高さ4メートル、幅10メートル、奥行き1メートルもあるのだ。この巨石は山の対岸からわざわざ持ってきたらしい。こんな巨大なもの、かなりの急斜面の上までどうやって運んだのだろう?
ちょっと離れたところにある穀物倉庫。幅はほどんどないけれど、かなりの高さがある。インカ独特の2階建ての造りだったらしい。中は涼しくて、ひと休みするにはもってこい

 


遺跡から眼下を見下ろすと、山のふもとの盆地には緑の畑が広がっていた。作っているのはすべてとうもろこし。このあたりの人たちは基本的にはインカ時代と同じものを作って食べているらしい
オりゃンタイタンボの村に戻ってメルカド(市場)に行くと、入口付近で兄弟ふたりがうまそうなものを食べていた。ちょうどお腹も減ったし……

 


で、こちらがオりゃンタイタンボ名物の「セビッチェ茶漬け」。シーフードを使ったペルー風マリネにお米と玉ねぎを入れ、温かいスープをかけていただく。上に乗っている茶色いのは乾燥させた巨大なとうもろこしの粒。これが日本人の口にはピッタリで、実にうまいのだ!