冒険家たちの憧れの地、パタゴニア。南極からの強風が年中吹きつけるここは、日本の真冬にあたる12〜2月がベスト・シーズン。「じゃあ、どうせならパタゴニアで年末年始を過ごすってのは?」とかの地に乗り込んだのでした。雪化粧した山々にどこまでも続く大地……世界有数の大自然の写真をどうぞ

 


パタゴニア最初の土地は「世界最南端の町」としても知られるウシュアイア。ここではビーグル水道を通るクルーズに参加してみました。この海の色……落ちたら寒そうだなあ

 

いざ船に乗ると、冒険気分が一気にアップ! 目の前には雪をかぶった山々が連なり、いかにも冷たそうな海が広がっている。ああ、私ってば遠いところまで来たのね〜とついウレシクなってしまう

ビーグル水道にはご覧のように海から突出した岩山も多い。このあたりは天候が変わりやすく、私たちのクルーズ中にも曇ったり晴れたり……を繰り返していた

 


う、岩山に何かいる! しかもみんなやたらゴロゴロしている! これはアシカ科のオタリアという動物らしい。中央に見えるいちばん大きいのがオスで、その周囲は全部メスだとか。いわゆるハーレムってヤツですな

船は思い切ってオタリアちゃんに接近。なんだかヌメっとしていてかわいい。アフリカのサファリでも思ったけれど、やっぱり動物は自然の中で見るのがいちばん!

 


この時期パタゴニアは観光シーズンまっさかり。ウシュアイアから出発したクルーズ・ボートが大挙して岩山を取り囲んでいた。そして意にも介さず寝続けるオタリア(笑)
「あ、ペンギン!」と思わず声をあげてしまったが、なんとその直後、数匹が空に羽ばたいていった。アレ、ペンギンって飛ばないんじゃないの?……と思っていたら、コレはペンギンではなくウミウという動物だそう。うーむ……

 


クルーズの折り返し地点はこの灯台。エクレルール灯台という立派な名前がある名所のひとつ。映画「ブエノスアイレス」にも登場していたそう。ま、確かに哀愁をそそる景色ではある

クルーズの帰り道、操縦室に突撃! 舵は昔ながらの木のもので、キャプテンも渋いぞ。この部屋にいると、なんだか海の男になった気分♪

 


ウシュアイアのもうひとつの見所、ティエラ・デル・フエゴ国立公園。大小さまざまな湖と雪をかぶった山々が美しい風景を作り出している。今日はちょっと曇りぎみだが、天候の変化が激しいパタゴニアのこと、雨が降らなかっただけよしとしよう
湖の桟橋で記念写真。ここにもしっかりとアルゼンチン国旗が配置されていました。さわやかなブルーと白のコントラスト。でもこの国旗を見ると暑苦しいマラドーナの顔を思い出してしまうのは私だけ?

 

パタゴニアはヨーロッパからの観光客が多いだけあって、公園内の設備はかなり整っている。ピカピカの簡易トイレに思わず感動。アメリカの国立公園みたいだ
なにやら怪しげな湖。な、何かがいるぞ! という気配を感じた方、正解です。ここはビーバーの生息する湖で、彼らは打ち上げられた枯れ木を作って家を作るそう。私たちは30分ほどここで粘ったが、1匹のビーバーがスーッと横切ったのを一瞬見たのみ

 


パタゴニアだあ! と感じてしまうのはこんな風景。だいたいこの公園はどこにいても雪山が目に飛び込んでくる。しかしいまは夏なのに、ちょっと寒いぞ〜


小さいウシュアイアの街はこんな感じ。「世界最南端の町」と名づけられているが、道路は普通に舗装道路だし、よく見ると実は結構な観光地です

 

アルゼンチンでよく飲んでいたビール「Quilmes」。ブルーと白のコントラストは、アルゼンチンの国旗を意識している? 寒いところで暖かい部屋に入り、冷たいビールを飲む。コレって贅沢なことだと思うなあ

パタゴニア地方は観光で訪れる人が多いせいか、物価は普通の場所と比べてかなりお高め。でも食べ物の量はさすがはアルゼンチンというべきか、ハンバーガーなんかもこんな風にデデーンと豪快に出てきます

 


ウシュアイアでおいしかったものナンバーワンはこちらのチョコレート・ケーキ。ねっとりずっしりとした食感。温かいコーヒーと一緒に飲むと、疲れがふっとぶ。体重計もふっとびそうだけど(笑)
寒い寒いとブツブツ言っていたけれど、南半球のここは、いまがいちばん暖かい時期。つかの間の夏を楽しむかのように、あちこちで色とりどりの花が咲いていた。この花、パタゴニアではよく見かけたけれど、なんという花なんでしょう?

 

ウシュアイアの街のメイン・ストリート。ほとんどがお土産屋さん。なんだか日本の観光地のような雰囲気なのです

ウシュアイアのレストランは高い割にお味のほうはちょっと……。こういうときは自炊です、やっぱり。旅に出てすっかりスーパー好きになったダンナ。「世界最南端のスーパーだあ!」とひとりではしゃいでおりました

 

気づけば今日は大晦日。「やっぱり日本人は年越しそば食べないと!」というわけで、ブエノスアイレスの韓国人街でおそばを買って持ってきていたのだ。世界最南端で食べる年越しそばのおいしさと言ったら!

泊まっていた宿は普通のファミリーの家。カウントダウン直後、みんなで「あけましておめでとう!」とハグ&キスしあう。やっぱりラテンだよなあ、とうれしくなった2004年の幕開けだった(詳しくはこちら

 


ここの宿のお父さんとお母さん。年越しのパーティでは私たちゲストにも「飲め!食え!」と色々すすめてくれた気のいいふたり。いかにもアルゼンチン人らしいおおらかさがあって、かなり居心地がよかった

最南端の街を後にして、次なる街カラファテに向かう。移動中のバスから見えるのはひたすら大地、大地、また大地……。時々牧場が見えるほか、家はほとんどない。こういうところに住んでいる人と東京の人じゃ、価値観が全然違うだろうなー

 

途中、大きな湖を大きな船に乗って渡る。観光バスのほか、一般の車も結構多い。みんなバカンスでパタゴニアに遊びに来ているのかな

カラファテの大地。こういう景色を見ると、「地球って広いにゃ〜」と感慨にふけってしまう。この写真では見えないけれど、大空高くコンドルが舞っていた

 


人っ子ひとりいない大地から、突如としてパッカパッカと現れたガウチョ(羊飼い)のオヤジ。いやあ、見てください、このオヤジのかっこよさ! やっぱり自然を相手に働いている人は、どっか違う、違い過ぎる〜

すったもんだの挙句、やっと到着したモレノ氷河(詳しくはこちら)。氷河もさることながら、湖も景色も素晴らしい。いやさすが世界の冒険家を魅了するパタゴニアなのです

 

じゃじゃーん。こちらがパタゴニアでも有名なペリト・モレノ氷河。ここに来て初めて知ったのですが、氷河って実は青い! 洗剤に混じっている青い粒々のような、実に清涼感のある色なのだ

ペリト・モレノ氷河全体図。この氷河、高さ60メートル、全長35キロもある巨大なもの。でも確かに「河」というのも納得の形をしている

 


ペリト・モレノ氷河は活発な氷河で、見ていると次々に氷河が崩れていく。崩れた氷河が湖に落ちると、水晶のように透き通った色になった。なんだか神秘的で、ついつい見入ってしまう

クレバスのヒビがミシミシと広がっていくのが肉眼でも確認できる。「どどーん」と大きな音を立てて、次々に氷河が崩れていくさまはまさに圧巻だ

 


大自然のなかとはいえ、ここは立派な観光地。氷河まではちゃんと歩道が整備されていて、展望台から見やすいようになっている。楽ちんといえば楽ちんだけど……

「カラファテ」はこの赤い実をつける木の名前。それがそのまま街の名前になったのだそう。この実を食べた人はかならずパタゴニアに戻ってくるとか……って同じような話、世界じゅうにあるような気がするな(笑)

 


カラファテにあるオサレなカフェ。ここだけ見ていると、冒険家憧れの地というよりも、ヨーロッパの一都市みたい。もちろんお客さんもブルジョア目の人が多い

 


パタゴニア名物「アサード」。アサードとは「ステーキ」の総称で、牛でも豚でも羊でもとにかく「アサード」。豪快に開いて炭火で焼くのがパタゴニア流。うまいんだな、コレが

 


カラファテの飛行場。「これだけ土地があればさー、どこにでも飛行場が作れちゃうんじゃない?」と思ったけれど、実際その通りかも(笑)。ただしパタゴニアは年中吹き付ける強風のため、操縦が難しいんだとか