ペルーとボリビアの国境にあるチチカカ湖は、かつてインカ王がこの地に降り立ったと言われる神秘的な湖。湖の標高は3655メートル、汽船が航行する湖としては世界最高地にある湖としても知られています。インディヘナの多いこのエリア、彼らの独特な生活習慣を覗いてきました

 

チチカカ湖観光の拠点となるのはプーノという街。「街全体がなんかスラムっぽいよ〜」との噂を聞いていましたが、確かにゴチャゴチャとした街並みは噂どおりかも

 

やや、どこかで見たような三輪タクシーを発見。アジアなんかではよくあるものですが、南米で見かけることはめったにない。近場に行くときは便利な乗り物

チチカカ湖から見るプーノの街。全体的に茶色っぽく、ヨロヨロっとした感じ(笑)。この街はペルーのなかでもインディヘナ率の高い街として知られているそうな

 


チチカカ湖に浮かぶボート。広大な湖で、一見すると内海のように見えるが、海と比べると波はかなり静か。天神君臨の地として名高いのも納得なのです

チチカカ湖観光はツアーに参加するのが一般的かつ楽チンな方法。まず最初に行ったのが「トトラ」という植物で作られた浮島のウロス島。遠目で見ても、茶色い島が浮いている様子はなんだか不思議

 

で、ウロス島に上陸。ここの島は藁を敷き詰めたような感触があって、ついゴロリと寝そべりたくなる(笑)。写真右が、なんとこのツアーで偶然に再会した石塚さん。以前出会ったのはアフリカはケニアで、実に7か月ぶりの再会なのです
ウロス島はとにかくすべてのものが藁のような植物「トトラ」でできている。島もトトラなら家もトトラ、見晴台もトトラ。生活の知恵なのか、はたまた不精なのか……

 


このトトラという植物、結構細工ができるようで、こんなファニーな顔にも変身していました。どことなく、日本の祭りに登場しそうな顔ですが……
ウロス島はペルーでも名高い観光地で、実際はかなりツーリスティック。なかには「お土産島?」と思ってしまうぐらい、お土産以外に何もない島もある

 

で、お土産屋さんには必ずでっぷりとしたインディヘナのおばちゃんが座っている。見るからに「アタシ、たくましいんだもんね!」というお母さんは、見ていてなんだか圧倒される
このあたりのお土産物はすべて手作り。インディヘナの女性が照りつける太陽のなか、せっせと手作業しています。お姉さんは細かい刺繍の入ったクッション・カバーを作っていました

 


石と石を合わせてゴリゴリこすり、穀物を粉にしていた少女。写真を撮ったらしっかり「お金ちょうだい!」と言われてしまった……。少女の奥に写っている緑の植物が「トトラ」。これを乾燥させると、藁のようになる
ウロス島の子は観光客を意識してか? かなり小さい子でも民族衣装に身を包んでいる。しかしインディヘナの子って、顔立ちは日本人そっくりだ

 


小さなボートに乗って、次なる島に移動する。みんなお揃いのようにツバが広いアウトドア用の帽子を被っているのが笑える。民族衣装のインディヘナの写真をカメラにおさめつつ、自らも民族衣装のようにお揃いのアウトドアグッズに身を包む観光客たち


お土産のひとつに、トトラでできた小さな船がある。ダンナは「欲しい!」と絶叫したけれど、妻は「いらない!」と一蹴したもの

 


トトラでできた船。見ていると「大丈夫?」と思ってしまうけれど、触ってみると結構ガッチリしてて水漏れの心配なし。この船は実際に観光用、移動用としていまでも使われている
トトラでできた船の前にはちゃんとこんな飾りがつけてある。カワイイ。これなら買って帰りたいけど、どうやって運べばいいんだ?

 

ボートに乗り換えて、次なる目的地アマンタニ島を目指す。次の島まで4時間弱と、結構な距離がある。トトラの茂る湖を分け入るように進んでいくボート
アマンタニ島の船着場に到着。思ったよりも湖の水はきれいで、水面下の水草が透けて見える。島人が使っているのはこんな小さな手漕ぎボート

 

この島は観光業が大きな収入のひとつ。観光客を乗せた船が着くと、民族衣装に身をまとったおばちゃんたちが港に向かえにきてくれます。女性は真っ黒い布を頭にはらりとかけているのが特徴

島では普通の民家にホームステイする。ここが私たちが泊まったお家。2階建ての結構広さのある家で、目の前には畑が広がっている

 

で、こちらが私たちを迎えてくれたお母さん。素朴ないい人で、カメラを向けるとぎこちなく手を振ってくれました。この島の衣装は細かい刺繍のブラウスと、ふわりと広がったスカートでちょっとメルヘンちっく

お家には電気が通っていないので夕方になるとそれぞれの部屋にローソクがともされる。ゆらめくローソクを見ているとなんだか一時代前にタイムトリップしたような気分に

 

このお家の子供は6人いて、なんと全員男の子! しかもみんなキリっとした顔をしていて、将来が楽しみな限りだわ(笑)

 

この家のお父さんはじゅうたん屋さん。アルパカの毛でできたふわふわしたじゅうたんをひとつひとつ手作業で作っていました。よくお土産屋さんとかで見るのは、こんなところで作られていたのね

 

村の子供たち。女の子は民族衣装のスカートに、いまどきのトレーナーを着ているのがやけくそ気味でカワイイ(笑)。カラフルな帽子はもちろん手編み。このあたりの人は編み物が上手なのね

島の中央部は小高い丘になっている。その頂上までちょっくら散歩。といってもこの湖があるところが標高4000メートル近くだから、ちょっと登るだけで息が切れる

 

島のキレイどころ3人娘。背中にかかえた荷物には観光客に売るお土産が入っている。色の少ないこの島で、あでやかな民族衣装が映える
村の女性たちは観光客が行く先々にかまえて、お土産物を並べて待機している。メインは手作りの編み物。みんな結構な勢いで買っていたから、いい商売なのかな?

 

お店を開きつつ、手は休まず編み続ける島の女性。10歳に満たない小さな少女まで編み棒を握ってしっかり編んでいたのがさすがです。こうやって母から娘に代々受け継がれてきたものなのでしょう

アマンタニ島に夕日が沈んでいきます。今日は1日、いろんなところに行ったわーと充実感でいっぱい

 


夕日が沈むと、島の小高い丘のうえが、なんとも幻想的なピンク色に染まっていきました。ほとんど物がないシンプルな島の暮らしだけど、こうやってじっくり自然の景色を眺められていると、なんだか満たされた気分になってくる

翌朝は快晴。最後の島、タキーレ島に移動しての観光です。段々畑が広がるこの島は、湖からかなり盛り上がった造りをしていて、いたるところから湖が目に入る

 

なんだか懐かしいような、そんな島の風景。わずかな土地を段々畑にしているのはインカ時代から続く知恵、でしょうか

島の広場には、この地点から世界各地への距離を表す看板が立っていました。チベットの首都ラサへは1万7千キロ以上。はるか離れたこのふたつの地ですが、それでも彼らの顔体、そして民族衣装の色使いなどかなりの共通項があるのに驚かされます

 

タキーレ島のおばちゃん。この島でもやっぱりみんな編み物上手。老若男女(男性も!)、みんな立ち話をしながらせっせと編み編みしておりました
この島では男性もみんな民族衣装。黒いベストを羽織り、頭には頭巾のようなものを被っている。既婚、未婚で帽子の色が違うとか

 

もちろんこんなちっちゃな子まで民族衣装。しかし子供の民族衣装って、なんでこんなにカワイイかねえ。観光用だとは思うけど、それでもこのカワイさなら許す!

島でもいろいろな民族衣装に分かれているらしく、魚を売っていたお姉さんたちはでっかいベレー帽のようなものを被っていた。こちらも刺繍入りでカワイイ

 

タキーレ島の女性の民族衣装はこんな感じ。やっぱりふわっとしたスカートを履いている。しかも結構ミニ。一説にはトイレのときに便利だからだとか
広場の脇では、古い家を撤去する作業が行われていた。この島は共同体としての機構がキチンとしていて、こういった土木作業は村人で力を合わせて行う。物価もすべて定価で、実に民主的な島なのだそう

 

高台にのぼると、目前にチチカカ湖がばーんと広がる。まるで海のような広大さで、見ているだけでゆったりとした気持ちになってくる

日干しになっているのは、チチカカ湖で捕れるぺヘレイという魚。青い空にむかってデレーンと干されているさまは、なんだか気持ちよさそう?

 


島でのランチタイム。メイン・ディッシュはもちろんお魚。シンプルな料理だけど、湖から吹く心地よい風を受けながらのランチは実に美味でありました