見どころがとにかく多いエジプト。アレコレ悩んだ結果、カイロから列車で9時間のルクソールに行くことに。ルクソールはかつて首都として栄えた街。遺跡の数も多く、それぞれにスケールはデカく、しかも壁画やレリーフなどの装飾も美しく、そのうえ保存状態もよいという、まさに超一級の遺跡ばかり! 最初は圧倒されまくってましたが、なにしろ暑い。予想以上の暑さに、実は後半はダレぎみでした(笑)

 


ルクソールの道ばたの街路樹は生活必需品。とにかく陽射しが強く、木陰で休憩しないとやってられない。その奥にはルクソール神殿が見える。並んだ柱がキレイ

 

ルクソール神殿前にて。夫の身長(180cm)を考えると、壁の高さはけっこうある。入り口左側に座っているのがラムセス2世像。右側は……知りません(笑)
神殿の前にある、オベリスク。ヒログラフで一面を埋めてある柱が、青い空によく映える。ちなみに本来はここに2本のオベリスクが建っていたが、現在は1本のみ。もう1本はなんとパリのコンコルド広場にあるのでした

 


ラムセス2世像のある入り口を経てラムセス2世の中庭に入ると、またもラムセス2世像が(笑)。ラムセス王というのは何人もいて、ルクソールをまわっているとよく登場する王様だ。それだけに「アレ、これはラムセス何世だっけ?」とごっちゃになることもしばしば
神殿を進んでいくと、柱がずらりと列に並んだ廊下に出る。これだけのものが紀元前に作られているなんて、エジプトの古代文明がいかに発達していたのかがわかる

 

ルクソール、遺跡もスゴイが暑さもスゴイ! 遺跡をウロついては「なんかちょーだい」とバクシーシをねだるおっさんも、この暑さにはお手上げか。ぐったりしてらっしゃいました
またも、ラムセス2世像の登場です(笑)。ちなみにかの有名なスフィンクスももともとは彼のように四角くて長いあごひげがあったそう。いまは切り取られてしまって、しかもイギリスの大英博物館にあるとか

 


ルクソールの交通手段のひとつ、馬車。といってももちろん観光客用。お値段はもちろん高めなので、写真でガマンの子。それにこの暑さの中で馬を走らせるのは、まさに「馬車馬のように……」という気がしてきて、なんだか申し訳ない
ルクソールは遺跡だけではありません。観光がメインの街だけど、もちろん普通に暮らしている人もいます。こちらは街のジュース屋さん。生のオレンジをギューッと絞ってジュースにしてくれます。ちょっとすっぱくて、でもフレッシュな味は朝の必需品でした

 

「おいしい(はあと)」とお客さんもにんまり。彼が食べているのはフルーツ数種類が入ったスペシャル・メニュー。ところで問題。彼は何歳でしょうか?……なんと私たちより年下の24歳! エジプト人はこの濃〜い顔のせいか、概して老けて見える人が多い
ムサカ、ケバブセットなどなどエジプト料理の夕べ。アフリカから来たせいか、地元食がバラエティに富んでいるのがウレシイ。実はこうやって写真を撮る間も惜しいほど、腹が減っていた……

 


と思ったら、なにやら机の下でガサゴソと音がする……。テーブルクロスをめくってみてビックリ。猫がうじょうじょいる(笑)。このママ&子供ちゃんは皆おっとりしていて、写真を撮られていても平気で伸びをしたりしている。エジプトは中東らしく、猫は皆に可愛がられているせいか。でもカワイイなあ
シーシャ(水パイプ)を吹かすおっさん。ううむ……こういう写真はエジプト人にはかなわないな(笑)。エジプトに着いたときにまずビックリしたのが、このシーシャを吸うおっさんが多いこと。なんだか悪いことしてそうだし(笑)。ちなみに女性が吸っているのは一度も見かけなかった

 


ルクソールの遺跡は街から遠いところも多く、考えた結果(というか寝坊した結果)、タクシーをチャーターするというバブリーな方法に。といっても物価の安いエジプトだからできること。これは途中、暑さにやられちょっとへこたれ気味のドライバーのおじちゃんのスナップ


遺跡は街からだいぶ離れたところに点在している。行く途中では、こんな砂っぽいところに集落があって、普通に人が住んでいる。家の前にはやる気がなさそうにお土産品が置かれていたりする

 

タクシーで最初に向かったのは、ラムセス3世葬祭殿。砂っぽい地形の中、この遺跡がぽっこりと見えてくる

凱旋門にも、勇ましいラムセス3世の姿が彫られている。いかにもエジプトらしい、壮大にして繊細な佇まい。とにかくここは美しく彫られたレリーフがいたるところにある

 


中庭に入ると、いくつもの柱が立っていた。その柱のすべてに、びっしりと彫られたレリーフが残っている。紀元前のものだというのに、保存状態もいい
奥のほうを覗いていくと、柱にも天井にもところどころハッキリと彩色されたものが残っていた。見入っていると、古代エジプトにタイムトリップしたよう

 

古代エジプト文字の刻印がいたるところにある。「あ、こういうの、テレビで見たことある!」っていう人も多いのでは? 絵にしてもカワイイし、しかも文字だっていうんだから、古代エジプト人はなかなかイケてます


中庭では、照りつける太陽のもとじっと佇む王家の像が。日本がまだ石器時代に、エジプトではもうこういった祭殿がボコボコ作られていたというのだから、恐れ入ってしまう

 


葬祭殿の至聖所。ここで色々な儀式をしていたらしい(たぶん)。久々のツーショット。というか、この暑さでは人に写真を頼むのもダルくなってくる……な内心を隠し(笑)、やたらニッコリ顔


続いて向かったのは、「ハトシェプスト女王葬祭殿」。うーん、舌を噛みそうな名前だ。数年前、ここで日本人を含む数十人の観光客がテロリスト集団に無差別に銃殺されるという事件がありました。記憶に残っている人(もしくはそんなニュースを思い出した人)も多いでしょう

 

ハトシェプスト女王葬祭殿は、砂漠にそびえたつ岩壁の前に、デデンと陣取っている。絶景。ハトシェプストとはエジプト初の女王で、かなりやり手な人だったらしい

遺跡はすばらし過ぎるが、何しろ暑い。特にここは日陰がなくて、日光がドドーンと照ってきて、肌がジリジリ焼けているのを実感するほど。白人の観光客の方々はみんな真っ赤になってました

 


あまりの暑さに、遺跡に並んだお土産屋さん&物売りもすっかりダレぎみ。みんなで集まっておしゃべりしたり、昼寝してたり。確かにこんな暑いところで働きたくない

続きまして、「王家の谷」へ。まず、この観光地は名前がいい。「王家の谷」なんて、なんだかそそられる(笑)。ここは岩を彫って作ったお墓がずらりと並ぶところ。もちろんすべて歴代王の墓だ

 


墓の内部はこんな感じ。墓の時代によっても違うようだが、こちらは入口からお棺を安置しておいた場所まで長めの廊下が続くタイプ。かなり奥まで廊下はあるし、壁面のレリーフも美しい

墓の壁面に描かれた装飾。古代エジプトは多神教の宗教で、遺跡にも神様がいっぱい。中には体は人間、顔は猫という神様だっている。写真右は太陽神「ラー」。頭の上に太陽をしょっている(笑)

 

太陽神ラーは結構ポピュラーな神様のようで、いろんなところで見つけることができる。ちなみに私たちの間では「ラーちゃん」という呼び名がついていました。インドのヒンドゥー教同様、多神教は神様探しが楽しい

こちらはつぶらな瞳がカワイイ、コブラのレリーフ。滑らかに浮き出ていて、ついつい手で触りたくなる

 


墓の奥部、お棺が安置される部屋には、天井まで壁画が描かれていた。古代エジプト人の宇宙観を表す絵で、色味までくっきり残っている。写真では伝わりにくいのだけど、この絵は本当にスペーシーで、しばしこの空間で立ち止まってしまうほど